長崎へ! 異国情緒の街を歩きまくり、食べまくり!!!
どっすん。きょう(記事アップが遅れたから、もうきのうになっているけれど)のパイロットさんは、地上に早く降りることを最優先して、乗り心地はあまり考えない人らしい。お尻に思いっきり衝撃を感じながら、長崎空港に降り立った。
空港からバスで約30分かけて長崎駅へ。到着したら、今度は路面電車を乗り継いで、グラバー園に向かった。
古くから海外貿易の要として、“異人”さんたちが多く暮らした街、長崎。グラバー園は、そんな外国人居留地の跡に、異人さんたちの屋敷を移築して、往時の面影を集約して見せてくれる。
その象徴である、旧グラバー邸は、日本でもっとも古い木造西洋風建築だ。スコットランド生まれのグラバーは、明治初期に、長崎におけるお茶や海産物の貿易で財をなした人物。
邸宅は、正面玄関を設けない珍しいたたずまいで、広い食堂やゆったりとした応接間、各室に設けられた暖炉などが、当時の異人さんの豊かな暮らしぶりをうかがわせる。
園内はとても広く、見て回るのに、たっぷり3時間はかかった。グラバー園を出たら、近くにあった全日空ホテルのレストラン、「バヴェ」で昼食。ここでは、長崎が発祥という「トルコライス」を食べてみた。
トルコライスとは、1枚のプレートにピラフ、ポークカツ、スパゲティが乗っかっているもので、全国各地でそのバリエーションを食べることができる。けれど、その浸透具合は、発祥の地・長崎には遠く及ばない。
長崎では、ちょっとした喫茶店以上の規模の飲食店ほぼすべてで、トルコライスが食べられるのだ。そして、店ごとにかなりアレンジされ、基本線ははずさないまでも、プレート上の景色はだいぶ変わる。
パヴェでは、ピラフはチキンライス、ポークカツはパン粉なしの衣、スパゲティはミートソースという布陣だった。ごく細かいパン粉を薄く使っただけのカツだから、ボリュームがありそうに見えて、意外と軽く食べられる。パスタをオーソドックスなナポリタンではなく、ミートソースにしてあるのも、同じ目的かもしれない。
トルコライスで満腹になったら、今度な大浦天主堂へ。現存する木造教会で国宝に指定されている日本最古の天主堂だ。
長崎市内の隠れキリシタンが約250年の潜伏期間を経て、キリスト教信者であることを告白した歴史的「信徒発見」の場所としても知られている。
内部は撮影禁止だったが、聖母子像の祭壇や、ステンドグラスなど、荘厳な装飾が実に印象的。私自身は無宗教だけれど、なんだか、信仰の尊さを感じてしまうひとときだった。
大浦天主堂を離れたら、今度は「オランダ坂」へ。居留地時代、長崎では西洋人を「オランダさん」と呼んでいたことから、外国人がよく通ったこの界隈の坂道をオランダ坂と呼ぶようになったらしい。
いまでも洋風建築群が残るオランダ坂周辺を抜けると、新地中華街が間近くなってくる。中華料理店や雑貨店約40店が立ち並ぶ一角で、その西のはずれに「孔子廟」がある。
孔子廟は、明治26年に清朝政府と長崎の華僑によって建造されたもので、中国人が海外に立てた唯一の聖廟だという。
真っ赤に塗られた建物が異国情緒をもり立て、まるで日本を離れた場所にいるような気分になってくる。
敷地内には、中国歴代博物館が併設され、北京故宮博物院の美術品などが常設展示されている。華やかな色彩の壺や、透明感すら感じさせる青磁の茶器など、眺めていると時間を忘れてしまう名品が数多くあり、出口をくぐったときには、午後5時の閉館時間をずいぶんすぎてしまっていた。
そこからゆるゆると歩いて宿へ。今回は、新地中華街のど真ん中に泊まるのだ。
宿でひと休みしたら、夕食を食べに街へ繰り出そう。ターゲットは、地元の新鮮な魚を食べさせてくれる、懐石・創作割烹の「銀鍋」さん。懐石・創作割烹なんていうと敷居が高い感じがするけれど、実際は“気軽な居酒屋”といっていい。
まずは刺身。「きびな」と「ひらす」、「たち」の3品を頼む。きびなとは、瀬戸内海でいうきびなごのこと。長崎にくると、末尾の「ご」がとれる。ひらすはヒラマサ、たちはタチウオの長崎の方言だ。
いずれも新鮮でおいしかったけれど、特に写真のたちが絶品だった。身がコリコリして、それでいてたっぷりの甘みがあって。もちろん、小骨が歯に当たるなんてことはなく、丁寧に下ごしらえしてあるから安心して食べられる。
本当は、「アラ」の刺身も食べたかったのだけれど、きょうは品切れだった。九州地方でアラと呼ばれる魚は、全国では一般的に「クエ」「モロコ」などと呼ばれる。スズキ目ハタ科に属し、体長は1メートルを超える。よく締まった甘みの強い白身が特徴で、刺身のほか、ちゃんこ鍋にも使われる。
刺身以外はできるのか--と聞いてみると、あら煮ができるという。当然、速攻で注文した。
アラのあら煮は、あらの部分、つまり、切り身にならない頭部や胸びれに近い部分の肉を、甘辛く煮付けたものだ。
もともと、アラは皮下にたっぷりとコラーゲンを蓄えているので、煮付けるとこの部分がぷるぷるになり、触感がとても楽しい。もちろん、淡泊な身の部分も、熱を通すことで、ほっくりとした歯ざわりになり、味わいが深くなる。
続いて、もう1品アラを頼んだ。「はらわたの冷製」だ。1メートルを超す巨大な魚だから、内臓もかなり食べ甲斐がある。写真の左奥から時計まわりに、胃、肝、食道、エラだ。
胃はコリコリした触感、肝はねっとりした味わいが楽しい。食道はプルプル、エラはきゅっと締まった鶏肉のような感覚で、部位ごとに違った食感が味わえる。
地元の魚をさらに1品。「甘鯛の唐揚げ」を頼んでみた。甘鯛の身は、とてもおいしいのだけれど、少々水っぽい。だから、唐揚げにして水気を抜くとちょうどいいあんばいになるのだ。
表面はカリッ、内側はフワッ。ふっくらとした上品な白身から、旨みと甘みが広がる。少し塩気の強い衣がいい感じに味を引き締めて、うま~い!
とってもよく揚がっていて、ひれやうろこはもちろん、頭もまるでせんべいかなにかのようにパリパリと食べられた。ああ、酒が進むこと、進むこと。
ほかに、豚の角煮や里芋コロッケなども食べてみたけれど、いずれもとてもおいしかった。特に、里芋コロッケは、じゃがいものホクホク感とは違うねっとりした食感で、なかなか楽しかった。
きょうは15キロぐらい歩いたから、けっこう疲れた。自転車だったら決してたいした距離ではないのに、歩きだと疲労感がぜんぜん違う。それだけ、自転車が優れた乗り物ということなのだろう。
今夜は早めに寝て、明日に備えよう。出島とか唐人屋敷跡とか、まだまだ見て回りたいところはいっぱいある。さあて、どんなコースでまわってみようかな。
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コメント
チャリじいさんの旅行記は、歴史背景なんかも織り込んでちゃんと読み物として成立しているのがすばらしいですね。大人のブログですわ。
私なんざ写真乗っけて、はいは~い文章てきと~~、で終わりですから(^^;
ところで今回の長崎、一人旅ですよね?
このメニュー、全部お一人でお召し上がりになったので……?
う~~ん、食べるときは食べる。運動するときは運動する。
このメリハリが、ダイエットの極意でしょうか?
投稿: はまちょ | 2008年8月21日 (木) 10時40分
トルコライス。いきなりすごい高カロリーから始まったけれど,創作割烹の魚料理は圧巻ですね。
チャリじいさんのあら料理2品に対するこだわりは「通」なところを感じさせます。
魚料理のすばらしさが伝わってきました。
私も食べたい。
応援ぽち
投稿: nekki5149 | 2008年8月21日 (木) 10時53分
何だか僕まで一緒に長崎を旅しているような気分になりました。
チャリじいさんの書く文章は上手くて、
また歴史説明なども含まれていて、
どこか雑誌の旅行記を読んでいるような気分になります。
それにしても数々料理!
特に刺身が美味しそう!
今日の旅の模様もレポ楽しみにしています。
そんな訳でぽち!
投稿: そあん | 2008年8月21日 (木) 14時05分
チャリじいさん、こんにちは!お邪魔します。
長崎グラバー邸・・・
懐かしいなぁぁ。
高校の修学旅行の時に行ったいらいやわ。
食べ物もうまそうやね。
チャリじいさんぐらいになるとうまいお店なんかもすぐ見つけちゃうんでしょうね。
俺、出張や旅行に行ってもファーストフードばかりで過ごして
しまうからうらやましい・・・・
明日のお食事は何かな?
明日も楽しみにしてまっせ!!
投稿: yukiske | 2008年8月21日 (木) 18時33分
はじめまして!
tavasukeと申します。
長崎出身なものでとても懐かしく拝読さて頂きました。
お食べになる品々、回っておられる遺跡のレポートとも圧巻です。
中でも「アラのわた」は晩酌する父親の姿と重なって懐かしく、今でももっとも食べたいと思うものの一つです。
時折帰省して求めても港に上がってないことが多く今では一般にはかなり手に入りにくい魚になっているようですが・・・。
いやあ、懐かしい!
最終日も楽しみに読ませていただきます。
投稿: tavasuke | 2008年8月22日 (金) 22時57分
【はまちょ さま】
>チャリじいさんの旅行記は、歴史背景なんかも織り込んでちゃんと読み物として成立しているのがすばらしいですね。大人のブログですわ。
過分なお褒めをいただき、お恥ずかしいです。でも、とってもうれしいです。歴史背景なんかは、現地を楽しむために下調べしたことをそのまま書いているだけで。。。
>う~~ん、食べるときは食べる。運動するときは運動する。このメリハリが、ダイエットの極意でしょうか?
あはは、今回は食べた量の方が運動を上回っているかも。。。旅先でちょっぴり不安を感じております。
【nekki5149 さま】
>トルコライス。いきなりすごい高カロリーから始まったけれど,創作割烹の魚料理は圧巻ですね。
トルコライスと魚料理、まったく別ものなんですけれど、どっちも長崎料理なんですよね~。いろいろな文化が混じり合った土地柄がよく出ていますよね。
>チャリじいさんのあら料理2品に対するこだわりは「通」なところを感じさせます。
私は単なる食いしんぼなので。。。おいしかった感動って、文章だけでもほかの方に伝えたくなってしまうんです。
応援ぽちありがとうございました。お礼にポチッ!
【そあん さま】
>何だか僕まで一緒に長崎を旅しているような気分になりました。
そう言っていただけると、とってもうれしいです。2泊3日の行程、どうかお付き合いくださいませ。
>それにしても数々の料理! 特に刺身が美味しそう!
長崎は五島列島も対馬もあるから、同じ九州北部でも、博多とはひと味違った魚が楽しめて楽しいです。
>そんな訳でぽち!
ありがとうございます。お返しポチッ!
【yukisuke さま】
>長崎グラバー邸・・・ 懐かしいなぁぁ。高校の修学旅行の時に行ったいらいやわ。
ああそうか、大阪の方の修学旅行は、九州方面になるんですね。私は社会人になるまで、大阪より西側って行ったことがありませんでした。
>うまいお店なんかもすぐ見つけちゃうんでしょうね。
えへへ、最近は店構えを見れば、だいだいハズレを引かなくなりました。
>明日も楽しみにしてまっせ!!
うれしいです。がんばりますね!
【tavasuke さま】
こちらこそ、はじめまして。ようこそいらっしゃいました!
tavasukeさんは長崎のご出身なのですね。地元の方に読んでいただけたなんて、気恥ずかしいですが、とてもうれしく思います。
>中でも「アラのわた」は晩酌する父親の姿と重なって懐かしく、今でももっとも食べたいと思うものの一つです。
お店の人も言っていましたが、アラの水揚げ量は、年々少なくなっているらしいですね。そういう意味では、今回、食べることができて、本当によかったです。
>最終日も楽しみに読ませていただきます。
せっかくのご縁ですし、がんばって書きますね!
◇ ◇ ◇
皆さま、いつもコメントありがとうございます。またのお越しを楽しみにしておりますね!
投稿: チャリじい | 2008年8月23日 (土) 15時08分