【鹿児島出張ライブ3】薩摩料理を堪能。うまかった~!
指宿での仕事をようやく終え、とんぼ返りで鹿児島市へ。途中、海岸線を離れて山の稜線を通る指宿スカイラインという道を通ったら、鹿児島湾を一望に望むことができた。
遠くには桜島も見える。実に雄大な眺めで、なんだか気持ちが晴れ晴れしてしまった。
鹿児島市へは1時間ほどで到着し、夕方のひと仕事。そろそろ疲れてきたけれど、仕事だってはちゃんとやらなくちゃな。本気モードでバリバリバリとこなし、なんとか終了。さあ、ホテルにチェックインして、ひと休みしよう。
ホテルは、鹿児島駅に間近い南九州随一の繁華街、天文館通りにある。部屋に入ってくつろぎながらガイドブックを見ると、周辺には楽しそうなお店がいっぱいあるようだ(あ、もちろん食べ物の話ですよ)。
とりあえず、ぶらぶら歩いてみて、よさそうな店を探してみることにした。若い子向けの店も多いけれど、郷土料理の店をけっこうあってうれしい。やっぱり、せっかく遠くの土地に来たのだから、その土地ならではの料理が食べたいものな。
30分ばかり、散歩がてらぐるぐる歩きまわり、「正調さつま料理 熊襲亭(くまそてい)」という店に入ることにした。たまたま店先に出てきていた女将さんと話してみて、応対や料理の説明がすごくきちんとしていたのが決め手だった。
熊襲亭は、客1組に対して店員さん1人が担当となり、料理についていろいろ説明したり、注文の相談にのってくれる。
私には20代ぐらいの男の子がついてくれたのだけれど、言葉遣いもしっかりしているし、説明にもよどみがない。よっぽど女将さんの仕込みがいいんだな。こういうお店は、料理も期待できそうだ。
メニューのほとんどは地元産の食材を使った郷土料理という。まずは、「キビナゴ刺身」からいってみる。キラキラ光るキビナゴが、青いお皿によく映えてとってもきれい。ひと目見ただけで新鮮なことがわかる。
ここんちでは、酢味噌で食べさせる。キビナゴの味わいが消えてしまわないのかな--と思いながら口に運ぶと、あれれ、かえって味の輪郭がはっきりしているぞ。酢味噌だれ、恐るべし。
お次は「さつま地鶏のたたき」だ。鶏舎に閉じ込めず、薩摩の大地でのびのびと育てた地鶏の皮だけをあぶってあり、身はまるっきりお刺身。
ポン酢をつけて口に含むと、まったく臭みのない自然な鶏の味わいが広がる。身の甘さがポン酢の酸味と引き立てあって、こりゃあ、うまい。あぶった皮の芳ばしさがいいアクセントになっている。
一緒に盛られている赤い部分は、砂肝のお刺身だ。コリコリしすぎず、ほどよい歯応えは新鮮な地鶏ならでは。生の砂肝は、時間がたつと固くなってくる。担当の男の子に聞いてみたら、やはり朝引きだそうだ。
身も砂肝も、かすかにミントのような香りがする。これはきっと、いい餌を食べているからなんだろうな。
続いては、揚げたての「さつま揚げ」。おお、プリプリとした弾力が、歯を心地よく押し返す。白身魚の甘みが、油で揚げたことによって際立って、こりゃあ、芋焼酎が進むな~。
中に入っているニンジンが、厚切りの板状になっているところは、薩摩の豪快さを感じさせる。白身はトビウオ、イトヨリ、エソなどが使ってあり、いずれも地元産という。
今度は、「黒豚とんこつ」だ。でっかい豚肉の塊が鉢の中にゴロリ。これが実にやわらかく煮てあって、かんたんに箸で切れる。軟骨もトロトロだ。
これだけやわらかく煮てあっても、身は旨みたっぷり。豚肉は、煮すぎると旨みがぜんぶ煮汁に出てしまって、だしがらのようになってしまうことが多いけれど、ここんちのはそんなことはない。
豚肉の煮込みは、おもしろいことに、煮ている途中で旨みが肉から出たり入ったりする。その、旨みが戻ってくるタイミングを上手に計っているのだな。すいませ~ん、芋焼酎、お代わり!
薩摩の郷土料理はまだ続く。「僕も子供のころ、おばあちゃんに作ってもらうのが楽しみだったんですよ」と言いながら、担当の男の子が持ってきてくれたのが、「ガネ天」。細く切ったサツマイモと、5センチぐらいのカタクチイワシを、そば粉の衣で揚げたものだ。
「ガネ」とは鹿児島の方言でカニのこと。サツマイモやカタクチイワシがとんがって、まるでカニの足のように見えるからガネ天と呼ばれるようになったらしい。
カラッと揚がったガネ天は、ホクホクのサツマイモに、カタクチイワシの塩気が効いて、ああ、幸せ。衣には砂糖とショウガが入っているから、芋ケンピにも似た味わいだ。地元では、大人も子供もおやつ代わりに食べる料理だそうだ。
今度はご飯もので、「酒ずし」。実は、鹿児島に来たら、これがいちばん食べてみたかった。
寿司とはいうものの、この料理に酢は使われていない。炊きたてのご飯に、同じ量の地酒をふりかけ、おひつの中で、ご飯、具、ご飯、具--と層状に重ね、それを一昼夜以上寝かせて発酵させた「なれずし」なのだ。
器からは、地酒のいい香りがふわ~っ。タイの切り身、ミツバ、シイタケ、玉子焼き、小エビ、ツワブキ、タケノコなどが散りばめられていて、派手さはそれほどないけれど、見た目がとってもきれい。
ご飯は、地酒がしみているから、やわらかくふくらんでいる。口に運ぶと、地酒の香りとともに、発酵によるさわやかな酸味が広がる。うっわ~、こんな味ってあるんだ。食べ物って、奥深いな~。そして、うまい~っ!!!
さあて、最後は鹿児島が発祥の地である氷菓、「白くま」でしめよう。カキ氷に練乳がかけてあって、パイナップルとかいろいろなフルーツが散りばめられているアレだ。郷土料理の店に、こんなメニューまであるとは思わなかった。
かなりお腹がいっぱいになってきているから、普通サイズより小さい「小ぐま」を頼んだ。それでもかなり大きいな~。 フルーツ類は、スイカ、パイナップル、バナナ、レーズン、金時豆、芋ようかんなどがどっちゃり入っている。
ここんちのは、氷がものすごく細かくて、カキ氷というよりは、シェイブドアイスといった感じ。氷の粒が小さいから、とっても軽く食べられる。う~、冷たくておいしい!
でも、食べていると、どうも普通の練乳味の白くまと違う。なんだか初恋の味がするぞ。これってもしかして。。。
「はい、練乳のほかに、カルピスが入っているんです。あと、隠し味に火を通した卵も」と、担当の男の子。昭和22年に鹿児島市の喫茶店、「むじゃき」で生まれた氷菓・白くまは、今もなお、進化を続けているらしい。
ああ、薩摩の郷土料理を満喫して、もうお腹いっぱいだ。今夜はこの1軒だけで大満足。ホテルに帰って、あしたの仕事に備えよう~っと!
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この記事へのコメントは終了しました。
コメント
鹿児島出張、お疲れ様です。
それにしても九州は美味しそうなもの目白押しですね。
こ・・・これは!本場の「白くま」ですか?!
私はカップに入ったやつしか食べたことがないのですが、
本場のもんとぜんぜん違いますね。
生フルーツ入りの「白くま」美味しそう。
しかし本場のものは芋ようかんまでのっているとは、驚きです。
ポチッ☆
それでは、明日はよろしくお願いします。m(__)m
投稿: くろばい | 2008年8月28日 (木) 01時08分
天文館私も行きました。1999年くらいでした。
懐かしいですね。
「そういえば,あのころの写真とかどうしたかなー?」と思い出しましたよ。
そうだデジカメ無かったので使い捨てフィルムで撮影したのです。
おいしい料理ここでも炸裂ですね。夜中なのにおなかがすいてきましたよ。
氷菓食べたい!
応援ぽち!
投稿: nekki5149 | 2008年8月28日 (木) 02時43分
おはようございます。
これは凄いですね。地元ならではの料理の数々です。
いつもながら丁寧な実況中継です。へたな鹿児島
名物紹介本より優れていますね。ところでコースで
おいくらぐらいでした?
投稿: kincyan | 2008年8月28日 (木) 06時06分
これが白くまの元祖なんですね。
氷の中に火を通した卵? 卵焼き?
……じゃなくて、ミルクセーキみたいになってるってことですかね。
さつまあげも角煮も、実においしそう……く~~っ、芋焼酎呑みてーー!
まぁとりあえず今夜は、地ビールで乾杯と行きましょう。
お疲れのところ申し訳ないですが、よろしくお願いします。
投稿: はまちょ | 2008年8月28日 (木) 10時31分
薩摩料理を堪能されて、今回の出張も充実でしたね^^
気をつけて帰って来て下さい。
今夜、楽しみにしています。
投稿: kazu | 2008年8月28日 (木) 13時53分
【くろばい さま】
>こ・・・これは!本場の「白くま」ですか?! 私はカップに入ったやつしか食べたことがないのですが、本場のもんとぜんぜん違いますね。
私もカップのやつしか食べたことがなかったので、本場のものをお店で食べたのは初めてでした。あまりの違いにびっくりしました。
>しかし本場のものは芋ようかんまでのっているとは、驚きです。
さすがサツマイモの名産地、鹿児島ってところですよね。
ポチッ☆ありがとうございました。お礼にポチッ!
【nekki5149 さま】
>天文館私も行きました。1999年くらいでした。懐かしいですね。「そういえば,あのころの写真とかどうしたかなー?」と思い出しましたよ。そうだデジカメ無かったので使い捨てフィルムで撮影したのです。
そのころだと、まだデジカメが本格普及する前ですよね。今の若い人たちは、もうフィルムカメラなんて知らないんでしょうね~。
>おいしい料理ここでも炸裂ですね。夜中なのにおなかがすいてきましたよ。氷菓食べたい!
あはは、お腹を空かさせてしまってごめんなさい。白くま、おいしかったですよ~!
応援ぽち!ありがとうございました。お返しにポチッ!
【kincyan さま】
>いつもながら丁寧な実況中継です。へたな鹿児島名物紹介本より優れていますね。
お恥ずかしいです。いろいろ思い出しながら書いていると、つい細かく書いてしまって、ちょっと書き込みすぎかな~と反省しております。
>ところでコースでおいくらぐらいでした?
ええと、私が頼んだのは「正調さつま料理コース 貴」(5250円)で、それにいくつか追加注文しました。
コースの内容は、かつお酒盗、きびなご刺身、さつま揚げ、さつま地鶏のたたき、小鉢(ニガウリのカツオ和えと落花生の塩ゆででした)、黒豚とんこつ、黒豚の薫製、キュウリの酢の物とバイの煮付け、酒ずし、さつま汁、香の物、ナシとブドウ--でありました。あんまり多いので、記事ではちょっと間引いてあります。
追加したのは、ガネ天(630円)と小ぐま(525円)といったところです。焼酎は、1合525円から2100円まで、鹿児島さんを中心に、20種類ぐらいありました。
【はまちょ さま】
>これが白くまの元祖なんですね。氷の中に火を通した卵? 卵焼き?……じゃなくて、ミルクセーキみたいになってるってことですかね。
う~ん、この部分、実は説明を聞いてもよくわからなかったのですが、おそらく、ミルクセーキ説が当たりなんだろうなと思います。
>さつまあげも角煮も、実においしそう……く~~っ、芋焼酎呑みてーー! まぁとりあえず今夜は、地ビールで乾杯と行きましょう。
はい! 今これを書いているのは飲み会後ですが、ガンガン飲んで、楽しかったですね。
【kazu さま】
>薩摩料理を堪能されて、今回の出張も充実でしたね^^ 気をつけて帰って来て下さい。今夜、楽しみにしています。
なんだか、食べてばっかりの出張で…(笑)。飲み会、楽しゅうございました。
◇ ◇ ◇
皆さま、いつもコメントありがとうございます。こうやって反応があると、書いていてとっても励みになります。またのお越しを楽しみにしておりますね!
投稿: チャリじい | 2008年8月29日 (金) 11時54分