【新潟出張ライブ３】最後はばい貝とへぎそばで締めっ！！！

　遅い昼ごはんでボリュームたっぷりの新潟流カツ丼を食べたから、午後から夕方にかけてのお仕事は、垂れ下がってくるまぶたとの戦いだった。仕方がないから適当にちょちょいと死にものぐるいでがんばって、ようやくすべて完了したのが午後７時。やっとフリータイムだ。

　といっても、きょうは日帰り出張だし、まだお腹の中では新潟流カツ丼が存在感を思いっきり主張している。さあて、どうすべえか。せっかく来たんだから、なにか新潟らしい夕ごはんを食べて帰りたいけれど。。。

　またしても、お仕事の相手先に「なにか新潟らしくって、軽めの食べ物ないですかねぇ」と聞いてみる。すると、「それだったら『へぎそば』がいいですよ」という言葉がすぐに返ってきた。

　え、新潟でそば？　お隣の長野県は信州そばが有名だけど、新潟ってそばがとれるの？

　一瞬、そんな風に思ったけれど、昼がカツ丼だったから、さっぱりしたそばもいいかな－－と考え直し、新潟駅に間近い「小千谷そば　酒　肴の店　旬彩庵」へと足を運んでみた。

　店名でわかるように、このお店はそばが売り物の居酒屋さん。「お飲み物は？」と聞かれて、どうしようか迷ったけれど、「食事なんで、お茶をください」とお願いした。

　メニューを開いてみて、さあ困った。もちろん、へぎそばはあるのだけれど、サイズが大きい。「中へぎそば」(1890円)っていうのがいちばん小さいやつなんだけれど、２～３人前だという。

　まあ、そばならなんとか入るかあ。せっかく来たんだしなあ。。。と、結局頼んじゃったけれど。それにしても、なんでこんなに大きいサイズしかないんだろう。

　もう少しメニューを見ていたら、「ばい貝刺身」（750円）というのを見つけた。おお、日本海の代表的な巻き貝、ばいだな。煮付けで食べるのは大好きだけれど、そういえば生で食べたことはないな～。

　…食べてみたいな。いや、これは食べなくっちゃいけないな。気がついたら、「すみませ～ん、ばい貝刺身もお願いしま〜す！」と、私とよく似た声の人が仲居さんに叫んでいるのが聞こえた。

　まず最初に、ばい貝刺身が登場。見た目はつぶ貝に似ているな。おんなじ巻き貝だからな～。

　さっそく行ってみよう！　箸でつまんだだけで、身がコリコリしているのがわかる。噛みしめると、アワビに近いような歯ざわりだ。

　アワビのように鮮烈な磯の香りが漂うわけではなく、つぶ貝みたいに野趣にあふれてもいない。けれど、濃厚な身の甘さが、しっかりと日本海の豊かさを主張している。

　この味わいは…。そうだ、みる貝に似た上品さだ。二枚貝のみる貝との違いは、巻き貝らしい独特のアクと、引き締まった身の歯応えだな。

　ばい貝の刺身って、こんなにうまいんだな～。地元で新鮮なものが手に入るからこそなんだろうな。お酒を頼まなかったのは、失敗だったかも。

　しばらくして、へぎそばがやってきた。そばが乗っている四角い板きれのことを「へぎ」というそうで、これに乗せて出されるから、へぎそばというらしい。

　細くてきれいなそばだな～。量は多いけれど、これなら完食できるかも。さっそくいただいてみよう。

　少し甘めのそばつゆにつけて、ひとすすりしてみる。つるつるしたのど越しがとっても楽しいな～。そばの香りもとっても良し！　…なんだけれど、どうしたのかな、なんだか海の香りがするぞ。上に散らしてある刻み海苔の香りじゃないな～。なんだろう。

　お店の人に聞いてみたら、へぎそばは、つなぎに海藻のフノリを使うそうで、これがつるつるした食感を生み出すのだという。もちろん、海の香りもフノリを使ってあるからだ。おもしろいな～。海の香りのそばなんて、初めて食べた。う～む、昼間の新潟流カツ丼といい、新潟の味、恐るべし！

　ちなみに、新潟県もそば生産は盛んだそうで、小千谷市産のそば粉は全国でも有名らしい。そばといえば信州しか思い出さず、新潟に思い至らない不明を恥じなくっちゃいけないな。

　つるつる、つるつる。細いそばは心地よくのどを通っていってしまうから、２〜３人前だというのに、ペロッとたいらげてしまった。だって、おいしいんだもんな～。ごちそうさまでした。

　あとは新幹線に乗って帰るだけ。お腹はもう、パンパンにふくらんでいる。車内ではゆっくり寝ていこう。いやぁ、新潟も、実においしかった～！！！

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