【北海道出張ライブ２】ススキノで北海道の旬を食べまくる！

　札幌での仕事をいつものようにちゃちゃっと終わらせて、さあ、ススキノへ出撃だ！　といっても、わたしゃ色気より食い気。札幌に来たときは必ず寄ることにしている「魚作」さんへ足を運んだ。

　札幌出張のたびにここんちへ通うようになって、もう７～８年になる。ススキノっていう北海道一の繁華街のど真ん中にありながら、季節ごとの北海道の旬を手ごろな値段で楽しませてくれて、とっても楽しいお店なのだ。

　今夜も大将に、「おまかせで、ひととおりお願いします！」と声をかけて、あとはお酒を選ぶだけ。さあて、いったい何が出てくるか、楽しみ、楽しみ。。。

　まずはつき出し。左から、「トウモロコシの豆腐」、「北海縞海老のスモーク」、「イクラの醤油漬け」だ。

　トウモロコシの豆腐は、トウモロコシをすり下ろして寒天で固めたもの。トウモロコシの自然な甘みがとってもいい感じだ。北海縞海老のスモークは、いぶしたことで生の身のゆるさがギュッと締まって濃厚な味わい。イクラの醤油漬けは、走りの時期だけに皮の固さがなく、宝石のような粒を口蓋に舌で押しつけるだけで、すーっと旨みが広がっていく。

　次はお造りかな～っと思っていたら、「エゾシカの生ハム」をはさんできた。今、北海道で激増していて、森林や農作物への食害が問題になっているエゾシカは、実は低カロリー、高タンパクで、ものすごくヘルシーな食材なのだ。

　刺身で出ることが多いけれど、生（冷凍じゃないという意味）のままだと、けっこう噛みきりにくいし、野性味あふれる香りがきついと感じる人もいる。それが、スモークされると、歯触りが段違いによくなる上、くせのある香りがやわらぎ、凝縮された味わいになる。塩加減もほどよく、こりゃあ、うまいな～。

　続いて出てきたのは、「余市産の紫ウニ」。道南のウニは７～８月が旬だけれど、このあたりのウニは、まだ旬まっさかりらしい。

　ウニの本場、北海道だから、もちろん新鮮。板ウニ（経木の箱に盛られたやつ）みたいにミョウバンを使っていないから、えぐみなんてまったくない。

　海水でほんのり塩味がついているから、醤油なんてつけずにそのまま口に運ぶと、ああ、舌の上に広がる海の香り！　なんて自然な甘みなんだろう。

　陶然としていると、今度は「毛ガニの三杯酢和え」が出てきた。真っ白なカニのほぐし身の合間に、ところどころ殻に近い部分の赤い色がのぞいてとってもきれい。

　軽くゆでただけだから、タラバガニのように太い筋繊維じゃないのに、身がとってもプリプリしている。

　時期としてはまだ早い毛ガニの淡い甘みを、柑橘系の香りが漂う酢の酸味が引き立て、お酒が進んで仕方がない。うまいぞ～！

　お次に登場したのはお造りだ。左上から余市産のブリ、ボタン海老、根室産のサンマ、北寄貝。「北海道でブリ？　本場は北陸あたりじゃないの？」って思うかもしれないけれど、地球温暖化の影響で、1980年代以降、北海道ではブリの漁獲が年々増え、サケに次ぐ漁獲資源となっているのだ。

　で、そのブリ。おそらく成魚のブリよりひとまわり小さいワラサクラスのようで、ブリに比べると若い味わい。まだ９月だから、脂も少ない。それだけに、身本来の持ち味が実によくわかる。マグロよりもややジャキッとした歯触りで、ヒラマサよりもさっぱりしている。

　ボタン海老と生北寄貝の濃密な甘み、サンマのさわやかな血合いの香り。ああ、もうたまらない。すみませ～ん、お酒、お代わり～！

　続いては「焼きサンマ」だ。丁寧に焼いたサンマの半身に大根おろしをたっぷりと乗せ、三杯酢をかけてある。

　ホクホクした熱々の身に、三杯酢の酸味が利いて、なんとも楽しい味わいだ。秋といえばサンマ。サンマ甘いかしょっぱいか。よくぞ日本に生まれけりって気になってくる。

　だんだんお腹がふくらんで来たけれど、料理はまだまだ続く。今度は「カニしんじょう椀」だ。カニのすり身を小麦粉の薄い皮で包んで蒸し、椀仕立てになっている。

　山椒の芽がとってもいい香りの汁をひとすすりしてから、カニしんじょうにとりかかる。

　なめらかなすり身はゆでたカニとは違い、つなぎの魚肉やだし汁の旨みと相まって、実にやさしい味わいだ。再び食欲がわいてくるな～。

　そろそろごはんものかなと思っていたら、もう１品出てきた。なんだか、いつもより品数が多いな。大将、やけに気合いが入っているな～。

　お皿の上には、鵡川産のシシャモの唐揚げと、十勝産コーンのかき揚げ。シシャモはもちろんオスだ。

　内地（本州）だと、メスの子持ちシシャモが珍重されるけれど、卵に栄養を取られてしまっているから、身はうまくない。シシャモの身のうまさを楽しむには、オスにかぎるのだ。北海道のちゃんとした店では、シシャモのメスはまず出てこない。

　カリッと揚がった衣の内側は、実にジューシー。キュウリにも似た香りが漂う身の味わいは、メヒカリの水っぽさを抜いて、もっと上品にしたような感じだ。コーンのかき揚げも、トウモロコシの自然な甘みが口の中いっぱいに広がって実に楽しい。

　さあて、いよいよごはんものが出てきた。小振りの丼の上に、イクラの醤油漬けとウニ、カニがこれでもかってぐらいどっさり乗っている。うわあ、こりゃあすごいな！　普通はごはんものって締めになるけれど、これだったら、十分、お酒が飲めるぞ！

　イクラもウニもカニも、これまで出てきた料理とかぶっているけれど、この迫力の前では「そんなの関係ねえ～！」って感じ。お酒を飲みながら、ワシワシといただいてしまいました。

　最後はデザート。「胡麻プリン」が出てきた。胡麻のいい香りが漂う甘～いプリンなんだけれど、添えてあるフルーツに仕掛けがあった。

　なんと、マンゴーの焼酎漬け！　これも甘いんだろうな～と思って食べてみたら、強烈な焼酎の香り。胡麻プリンのいいアクセントになっていたけれど、ちょっとお、デザートだっていうのに、まだお酒を飲ませるかあ～？

　ああ、今夜もすっかりダイエットを忘れてよく食べた。肴が楽しいと、ついついお酒も進んでしまって、５合も飲んじゃった。東京へ戻ったら、また電動アシスト自転車・ハリヤで走り込まないといけないな～。食べたから走るのか、走るから食べるのか。北海道飽食旅行出張、まだ続きます。

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